情報デザインからコミュニティーの構築を考える
情報デザイン国際会議・ビジョンプラス7
Tokyo, 1999, october 07 - 09


10 08 pm <事例: 情報とインタフェース>
田中泉 、ソフトディバイス、日本

ソフトウェア開発に適合したインターフェースデザインプロセス

インターフェースデザインでは、従来のコミュニケーションデザインに加え、操作概念や機能のデザインといった広範囲な作業をカバーしていかなければなりません。同時にソフトウェア開発のプロセスそのものを適切に構造化することが、よりよい製品をめざすために重要となります。
今回は、とくにソフトウェア開発に即したインターフェースデザインのプロセスに焦点をあて、その主なデザイン作業について述べていきます。


概念プロトタイプ
概念や基本機能の検討は、インターフェースデザインおよびソフトウェア開発におけるもっとも創造的な部分です。この段階でプロトタイプを作成しながらデザイン検討を行うと、思考内容が目に見える情報としてあきらかになり、開発に関わる全員で共通のイメージを持つことができるようになります。
私たちがNTTデータと研究開発をすすめている個人の情報環境システムのインターフェースデザインでは、未来版の概念プロトタイプをデザインし、そこから現実版の実装バージョンを再構築するというような方法をとっています。

ユーザーインタフェース要求仕様書
要求仕様書は、実現させたいインターフェースデザインのために、どのようなシステム環境を整備すべきかという要求を技術開発チームへ提示するドキュメントです。

操作フロー図
操作のデザインは、操作フロー図を作成しながら検討します。フロー図は、画面遷移や操作手順だけでなく、機能を一連のタスクの流れから検討するときに重要です。

画面仕様書
画面仕様書は、表示情報や操作要素、機能や動作仕様などを画面ごとにドキュメント化したもので、画面の詳細デザイン指示書というような意味をもちます。
操作フローと画面仕様書の2つをユーザーインターフェース仕様書とします。これらが、技術開発チームにとってはもっとも重要な開発情報となります。

インタフェースデザインガイドライン
インターフェースデザインで「ルール」を構築することは重要な作業です。整合性のある概念や機能構造のルール、一貫性のある操作のルール、理解しやすい情報表示のルールなど、デザインルールの構築は、さまざまなレベルの対象要素に明確な定義付けを行い、全体的な整合性の中で構造化することです。
ガイドラインは、このように該当製品について検討してきたデザインルールを、目に見える情報としてとりまとめたもので、バージョンアップ製品や関連製品にもいかしていくようにします。

インタフェースデザイン開発ツール
現在、私たちは独自にインターフェースデザイン開発ツールを製作中です。「ルール」を規定しながら、操作フローの検討、インターフェース仕様の検討、画面デザインを行い、ドキュメントとしてアウトプットを行うツールです。開発プロセスを構造化し、情報の管理をとりまとめ、作業の効率化をはかることを目的としています。

デザインの手法を開発プロセスの中へ反映させていくことは、よりよい製品開発を目指すために有効なことです。デザイナーは、従来のプロフェッショナリティーに加え、日々進化する技術の知識や理解を積極的に深めていく必要があるのではないでしょうか。



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