情報デザインからコミュニティーの構築を考える 情報デザイン国際会議・ビジョンプラス7 Tokyo, 1999, october 07 - 09 | |||||||||||||||||||||||
10 07 pm | <事例: 情報とストラテジー> モデレーター: ナム・クシ・リー、IDAS、韓国 | ||||||||||||||||||||||
ユーザーの視点を重視する「ユーザー中心のデザイン UCD, User Centered Design」は、広く知られているデザイン専門用語のひとつだが、多少注意が必要な言葉でもある。UCDは人々の経験を理解することにより、情報デザイン分野において新しい有用性をもたらすだろう。デザイン・ストラテジーとは、情報や知識をどのように整理し伝えるかということだ。しかし、個人的・文化的な背景により、人々は同じ情報を違ったように捉えることがある。そこで、デザイナーは周辺状況やそれぞれの個人の経験を考慮しながら、適切なストラテジーをつくっていかなければならないのである。このセッションでは、3人の卓越したデザイナ−が「経験のデザイン」事例の現在を発表する。 そこから、ビジョンプラス7のテーマである「情報デザインからコミュニティーの構築を考える」を通じ、われわれは東洋と西洋の文化的な違いを理解し、その違いに橋渡しができるようなデザイン ストラテジーの「知」を学べるだろう。 ここに、東洋の情熱が垣間見える「経験のデザイン」のいくつかの例をあげてみよう。 一本橋 韓国の古都である慶州の近くに、玉山書院という500年前に設立された教育機関がある。そこへ行くためには、幅30センチ、長さ10メートルの谷を渡す一本橋を必ず通らなければならない。この一本橋を通るために、はらはらする経験と緊張を強いられるのだが、それは、書院に勉強に来る学生たちへの心構えのデザインなのである。 日本の城の床(鴬張り) 日本には古い城が多い。興味深いことに、床を歩くと板が互いにこすれて、ウグイスの鳴き声のような音がするような建物がある。床は単純に通路として設計されたものであるが、その建物では、人々が通る度に音がするようにデザインされている。これは床に保安装置としての用を取り入れた例である。 回転寿司 Revolving Sushi 今までにない日本での経験に、寿司がコンベヤーベルトで運ばれる、回転寿司がある。外国人にとっては、寿司の種類がたくさんあるので注文するのがむずかしい。しかし、これなら何があるのか一目で分かるし、好きな寿司を好きなだけとれる。誰にでもまったく分かりやすい方法である。 DDR, Dance Dance Revolution DDRはコナミの最も人気のあるストリート・ゲームである。それはユーザーに、目の前に現れるインストラクションの表示と音楽に合わせるように踊ること、つまり身体全体を動かす経験を提供している。新しいジャンルのゲームである。 以上の「経験のデザイン」の例は、まさに東洋的な思考の方法から導かれたものである。これらは、人間と自然が一体となること、他者に対して配慮すること、内なる情熱を表現すること、また東洋的なユーモアなどによってもたらされた新しい経験の創造といえるだろう。 | |||||||||||||||||||||||
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