情報デザインからコミュニティーの構築を考える 情報デザイン国際会議・ビジョンプラス7 Tokyo, 1999, october 07 - 09 | |||||||||||||||||||||||
10 08 am | <新しいインタフェースのモデル> ヨーブ・ルトゥガス、フィリップス・デザイン、オランダ | ||||||||||||||||||||||
コミュニティーのための知恵・情報・インタフェース アプローチ フィリップス・デザインにおけるデザインの研究は、人間研究を基盤としたアプローチをとっている。生活の領域、住んでいる場所、社会的文化的環境、共通のシンボリックな言語によるコミュニケーションの方法など、その研究では、人間というものはさまざまに定義されている。 グローバルvsローカル、ローカル=フィジカル&バーチャル 古いインタラクションのパラダイムでは、人間と、バーチャルにモデル化されたコンピュータ内部の世界との相互作用が含意されている。しかし、新しいインタラクションのパラダイムでは、現実の(物理的な)世界とバーチャルな世界を統合することが必要となる。また、それぞれが個人的に共同的にやりとりしている別々のグループの人々を、情報の世界に巻き込んでいくことが求められる。 しかし、このような統合をグローバルなレベルで達成するのは困難であり、ローカルな地域社会のレベルでこの問題に取り組む方がはるかに効果的、効率的なようだ。なぜなら、現実の世界は物理的なものであり、また、私たちの体験とはローカルにしかなされないものだからである。 「生活の記憶Living Memory」プロジェクト このプロジェクトにおいてわれわれが着目しているのは、地域社会や近隣の人々が、それぞれの知識や経験を共有する可能性を提供しそれを支える新しいツールの開発である。Living Memoryは、インテリジェント・インフォメーション・インタフェースという研究分野に取り組んでいるEC(欧州委員会)から資金提供を受けている。 目標 Living Memoryは、コミュニティーのメンバーに向けて、彼らにとっての共同的な記憶を探索し、共有し、それに魅了されるような手段を提供することによって、地域文化の豊かさや複雑さついてそれを伝え、それを大事に保存することを目的としている。 Living Memoryは、地域社会の歴史や出来事に関するコミュニケーションをサポートするため、また、個人的な経験や思い出を共有するための、マルチメディアによる思考の枠組みをつくりだす。家庭や公共の場に置かれた革新的で直観的なインタフェースを介して、人々はそれらメディアにアクセスできるようになる。 インタフェースとしてのテリトリー 物理的環境やコミュニティーの領域は、インタラクションのための場とみなすことができる。このことは、共同でアクセスし使用することのできるインタフェースや、私的なインタフェース、あるいはモバイル環境のインタフェースを介した、公共の場における新しい形のインタラクションの必要性をはっきりと示唆している。 データベースとしてのコミュニティ 特殊な地理的環境に生きる人々のコミュニティーが、最も豊かで最も適切なローカル情報をもっているということはよくある。地域の人々によって生成されるこの「生の」情報が、中央で標準化された事実情報よりも適切であり、すぐ役立つものである場合も多い。Living Memory研究の中心は地域の人々の中に存在する情報の共有、そして、共有された情報へアクセスである。 例えば「生きたデータベース」というのがある。それは、話し合いの経緯やそこで思い出されたことを記録し、あるいは、情報が古くなっていくことを示すことで、さまざまな意見や考え方を人々が交換することを促進する。このようなデータベースでは、情報プロセスの重要な部分になるのは地域の人々自身である−−彼らこそが情報を創造し、情報の質を測るフィルターの役割を担う「エージェント」なのである。 | |||||||||||||||||||||||
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